人をひとつの役割に還元するユニフォーム
白衣に身を包んだ看護士さんが、患者に対して優しく接し、細心の注意を払ってさまざまな処置をするのは、白衣を通して看護士の自覚を持つからであり、患者やまわりの人々はその白衣を見て安心します。このようにお互いが信頼しあうことで、さらにスムーズに物事が進む好循環は生まれます。
この例のように、ユニフォームは、人をひとつの役割に還元するものと言えます。オフィスユニフォームの役割と効用には、以下のようなものが考えられます。
役割 | 効用 |
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資格証明 | 業務にふさわしい資質と知識を持ち、技能トレーニングを終了した人材と認められるため、業務をスムーズに遂行する 環境が整う。 |
使命感向上 | 使命感を持って業務を行うために、着るシンボル。 |
向上心醸成 | 職場の信頼や期待を感じることで、向上心が高まり技術や知識が深まる。 |
責任感向上 | 制服支給とは組織から期待された上でのこと。それを感じて責任感が向上する |
連帯感醸成 | 揃いのユニフォームを着ることで、仲間意識と連帯感が生まれる。 |
信用力 | お客様や地域に信頼されることで、V.I.効果が高まり、信用増大に繋がる。 |
信用の増幅 | 先輩社員が培った長年の信用が加わり、信用増幅効果が生まれる。 |
業務利便性 | 業務に即したデザインや機能を実現し、利便性や能率が上がる。 |
ためらい減少 | 私服では考慮しなければならない、業務にふさわしいかどうかの判断がいらない。 |
私服費削減 | 制服支給で私服費軽減、また高価であったり大事な私服での業務は、動作にためらいが見られ能率が落ちるとともに、 けがやミスに繋がる場合がある。 |
ユニフォームは業績向上装置。
「衣・食・住」とは人が生活するための基本要素ですが、その『衣』に着目し、業務にふさわしい心構えと行動を生み出すために考案されたユニフォームは、人類が生み出した極めて文化的なものだということができます。
改めてユニフォームの効用を一言で集約するなら「衣服による業績向上装置」と呼べます。なぜなら、企業業績とは、結局マンパワーで左右されるものであり、そのマンパワー、つまり『やる気』に集約される、業務達成への執念、課題解決への粘り、技術向上への執念、観察力、考察力などの源は、もとを正せば、感情に行き着くからです。その感情を良い方向に向かわせ、安定させることは業績向上の原点であり。感情コントロールに大きく影響するユニフォームは、適切なものを選べば極めて優れた業績向上アイテムなのです。
社員を奮い立たせるため、経営コンサルタントに高額を払って社員教育を頼むことも良いでしょうが、はるか昔からあるもっとソフトな手法、つまりユニフォームを定めることで、社員ひとりひとりが誇りと自覚、自尊心を持ち、マンパワーを高めることができることを、もっと知っておくべきだと思います。
ユニフォームは自由を制限する?個性表現ができない?
いつの時代にも男女同権論者(女権拡張論者)がいて、ユニフォームの弊害が声高に論じられる場合があります。
しかし、着用者、着用経験者、未経験者の方々に実際に聞いたところ、下記のような回答が返ってきました。この結果からユニフォームのメリットは多いと言えますので、自信を持って薦めていただきたいと思います。
ユニフォームのメリット | ユニフォームのデメリット | |
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着用者 | ・被服費が安く済む ・私服が汚れない ・服装に気を遣わなくて済む |
・1着だと汚れたときに困る ・寒暖調整がしにくい ・人の視線が余計気になる |
着用経験者 (現在は私服) |
・被服費が安く済む、私服が傷まなくて良い ・服装に気を遣わなくて良い ・(私服に比べ)クリーニング代が安くつく |
・似合わないユニフォームだと長期間困る |
未経験者 (私服のみ) |
・統一感がある、仕事できるように見える ・被服費が安くて済む ・勤務服を買わなくて良い |
・その他大勢のお茶くみに見られる ・服で個性を表現しにくい |